2026/07/03 15:24
遠州の風と太陽が、生地を育てる。
「天日干し仕上げ」
商品説明で目にすることはあっても、実際にどのような工程なのかご存じの方は意外と少ないかもしれません。
私たち山下義男商店が使用する遠州コットンには、遠州地方ならではの「天日干し」で仕上げられた生地があります。
それは、効率だけでは生まれない、自然の力を活かした昔ながらの仕上げ方法です。
遠州地方だからこそできる仕上げ
静岡県西部の遠州地方は、冬になると「遠州の空っ風」と呼ばれる乾いた強い風が吹きます。
さらに、晴天の日が多く、たっぷりと太陽の光を浴びることができます。
昔から、この自然環境を活かして生地を乾かしてきました。
乾燥機で一気に乾かすのではなく、自然の風と太陽の力でゆっくりと乾燥させることで、生地本来の表情が引き出されます。
一枚一枚、自然の力で仕上げる
天日干しされた生地には、少しシワがあったり、色合いにわずかな濃淡が見られることがあります。
これは大量生産では生まれない、手仕事ならではの個性です。
一反一反の生地が、その日の天候や風を受けながら仕上げられていくため、それぞれに異なる表情が生まれます。
均一ではないからこそ、味わいがあり、世界に一つだけの風合いになります。
使うほどに感じる、やさしい風合い
天日干しで仕上げられた遠州コットンは、使い始めからやわらかな風合いを感じられます。
さらに使い込むことで、生地は少しずつ持ち主の暮らしになじみ、表情を深めていきます。
新品が完成ではなく、使う時間とともに育っていく。
それも天然素材ならではの魅力です。
山下義男商店が天日干し生地を選ぶ理由
私たちがバッグづくりで大切にしているのは、「長く愛着を持って使っていただけること」です。
派手さではなく、毎日の暮らしに自然と寄り添うこと。
そのためには、素材そのものの魅力が欠かせません。
遠州の風と太陽、そして職人の手仕事によって生まれる天日干しの生地は、私たちが理想とするバッグづくりにぴったりの素材です。
バッグを手に取ったとき、使い込んだとき、そのやさしい風合いを感じていただけたら嬉しく思います。
おわりに
一枚の生地ができるまでには、多くの職人の手仕事と、遠州の自然の力があります。
山下義男商店は、その想いが込められた遠州コットンを大切に使い、一つひとつ丁寧にバッグへと仕立てています。
これからも、素材の魅力を活かしたものづくりを通して、遠州の文化や技術を皆さまへお届けしていきます。
次回予告(Vol.3)
「双糸って何? 一本の糸との違いとは。」
丈夫さや美しい風合いを生み出す「双糸」について、わかりやすくご紹介します。


